新年最初の一冊

新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
 昨年は、本当にいろいろなことがありましたが、懲りずにできることをやっていきたいと思います。
 この年末・年始に、本を何冊か読む時間ができました。その中で、木村秋則さんのリンゴが教えてくれたこと (日経プレミアシリーズ 46)というのを読んだのですが、これが、面白かったです。この本は、ふらっと立ち寄ったブックオフで、暇つぶし用に買った本なのですが、ぼくにとっては、当たりでした。
 この木村秋則さんという方は、自然栽培という方法で、りんごの栽培をされている方です。自然栽培というのは、肥料も農薬も使わない農法で、素人なぼくが考えても、ちょっと無謀なことなのではと思うのですが、さまざまな困難を克服して、長い時間をかけて、自然栽培でりんごの栽培に成功された方です。漫画やなんやで、自然農法のようなことを知識で知って、そんな循環を自分のまわりに構築できたら、理想だろうなと思うことは、多々ありましたが、木村さんのすごいところは、それを、ビジネスとして、成り立つようにコントロールしているところです。本当に自然になすがままにまかせるのではなく、栽培という人がコントロールしたほうがいいツボを抑えて、不自然なことをせずに、農業として成立させているところが、本当にすごいです。昔々の人類は、自然をよく観察して、自然を敬い、自然と付き合いながら、食料を確保していたと思うのですが、木村さんは、それをいい意味で人口的に再現してるのではと思います。
 この本を読んでいると、今の農業で起きていることに対する疑問や、問題なんかもよくわかるし、今は、不自然な状況なんだろうなと思うことしかりです。食の安全なんかは、もちろんですが、政策なんかも、多いに問題がありそうですよね。
 人口問題が、よく話題にあがりますが、ぼくは、今の人口は多すぎると思っています。経済的、年金のことなんかを考えれば、人口は、右肩上がりでなければいけないのかも知れませんが、そんな状態は、やはり、不自然なのではないでしょうか。そんな今の人口を支えているのは、今の不健全な効率のいい食があるからで、体に悪かろうがなんだろうが、この人口に消費される食が確保出来なければ、生きていけない人が出てきてしまいます。まさに、赤潮のように、栄養過多になった異常現象が、今の人間の世界なのではないのかと思ったりするわけです。こんな中で、生産性を無視した、健康志向の話をしたところで、仕方がないと思っていたところに、木村さんの方法は、一つの解を示しているように思えます。今後、この自然栽培が、普及して、日本の伝統農法になったりすると、とても素敵だなと思います。
 それにしても、りんごの自然栽培って、本当に難しいんですね。一度、農薬付け、肥料過多になってしまった環境を自然のサイクルに戻すには、それなりの年月が必要なようです。この農法は、すばらしいけれど、切り替えるには、それなりの覚悟がいりそうですよね。新年そうそう、いろいろな、刺激を貰った一冊に出会えました。

リンゴが教えてくれたこと (日経プレミアシリーズ 46)
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