HAI

 今年のお正月は、連休が短くて、慌ただしいお正月になってしまったのですが、それなりにまとまった時間が取れたので、溜まってしまっている論文誌を何本か読みました。(といっても、一冊完読はできなかったのですが・・・)
 その中で、HAIという分野の特集をやっていたのですが、なかなか面白そうな分野だと思いました。HAIは、Human-Agent Interactionの略で、人と人工物の間をどのようにインタラクション(やりとり)するかを研究している分野のようです。(こちらの解説がいいでしょうか)
 例えば、人は、物を擬人化するという行為を取ったりしますが、どのような条件のとき、そういうことになるのか。ロボットを人と同種とみるための条件は何か。などなど、人とどういうやりとりをしていくことが、スムーズになるのかを研究している分野のようです。人がなんとなくやっていることをいろいろな角度から解明し、それを利用して、人工物とのやりとりに応用しようといったところでしょうか。なかなか面白い試みですよね。
 現在のヒューマンインターフェースは、どんなに分かり易く作っても、わからない人にはわからないというのが、ぼくの持論で、例えば、エレベータのシステムがわからない人にいくら説明しても、ボタンで指示するシステムは理解して貰うことは出来ない。そうなると、今のシステムには、自ずと限界があるのではと思っていたりするのですが、HAIで、その辺り(なぜボタンで指示するシステムがわからないのか?どんなインターフェースだと、理解出来るのか?)が解明されれば画期的なヒューマンインターフェースが生まれるのかも知れません。
 ぼくが脳に興味を持ち始めているのは、実は、この辺りにも興味があるからなのですが、HAI関連の話を読んでいると、とても広い知識が必要で、特に人間について、よく知る必要があるのだなと感じました。哲学や心理学は元より、社会学や歴史(過去の事例)なんかも必要で、とても幅広い知識がいるような気がします。このあたり、ぼくは苦手な分野で、ある意味避けて通りたいと思っているところがあります。とはいえ、こういうのを読むと、やはり避けては通れないのかなと、思い始めていたりします。
 どんな分野であれ、人に関わることをやっているのであれば、人について、たくさん知っている人が強いんだろうなと思います。サービス分野へ生き残りを賭けて行くなら、やはり、人のことを知らなければならないということでしょう。そういう意味では、本当の意味での人工脳やHAIの分野は、今後残ることが出来る分野なのかもしれないなと、思うのですが、ものになるには、相当な時間がかかりそうな気もします。
 去年末までは、こんなこと、考えてなかったのですが、今年は、勉強の幅を少し広げたいと思い始めています。とはいえ、今、興味のある分野ですら、出来てないのに、増やせるのか?というジレンマが出てきそうですね。たくさんの暇が欲しいと思う、今日この頃です。