ひろゆき氏の本を読んでみた

 年末に、ちょっとした空き時間に、某ブックオフの100均コーナーを物色していて見つけたました。2ch裁判なんかの話を聞いている限りでは、ぼくは、ひろゆき氏はあまり好きではありませんでした。とはいえ、有名人だし、食わず嫌いはどうかなと思って、暇つぶしに買った次第です。
 この本は、本人も言ってますが、本人が書いたものではなく、ひろゆき氏が話した内容をまとめた本らしいのですが、編集者の腕がいいのか、とてもよくまとめられていて、読みやすかったです。妙なころで、感心してしまいました。
 それは、そうと、ひろゆき氏は、思っていた以上に面白い人物のようです。2chの譲渡にシンガポールを選んだ目の付け所も感心しますが、この本の大半を占めているマスメディアであるテレビとネットの違いについて、よく研究されているなという印象を受けました。
 ぼくが、興味を惹かれたのは、テレビとネットの規模感が、ちゃんと数字で表されていたところ。マスという意味でのテレビは、やはりすごい影響力があって、抱えている人数の桁がネットとは違いますね。テレビの場合、興味がある番組を見るために、強制的にCMを見させることになるので、CMの内容に興味がない人に向けても、情報を発信するプッシュ型の広告が出来て、潜在需要を刺激することが出来るけれど、ネットの場合は、ある種、検索をしてくれないと、情報までたどりつかない。何か、新しいものを広告したくても、それを不特定多数にアピールするのは、向いていないですよね。規模も小さいですし。というか、ターゲットが絞られている時点で、潜在需要には届かないってことですよね。これは、悪い面でもあり、良い面でもあるのですが
 その代わり、ネットの場合は一人一人の嗜好に合わせたサービスを提供することが出来るので、多種多様な小さなグループが無数に存在して、ニッチなビジネスが成り立ちやすいのかも知れません。これは、大量生産、大量消費には向かないけれど、消費者の多数に指示されないものが欲しいと思う個人にとっては、可能性が出てくる世界ですよね。ただ、ビジネスとして考えるとより面倒になるし、収益も上げにくいのかも知れません。よく、ネットは儲からないと言いますが、何となく理由がわかった気がします。ようは、数が出ないということなんですよね。これは、今までのビジネスの延長でネットを活用しようとすると無理が出てくるということなんでしょう。ネットにはネットのビジネスの仕方を考えないといけないということなんでしょうね。
 ひろゆき氏の本を読んで、自分がぼんやりと考えていたことが、何となく納得出来た気がします。好き嫌いは、ともかくとして、面白い人だなとは思いました。これより前に書かれた本も、某ブックオフにないか、探してみようと思います。やはり、食わず嫌いは、いけませんね。

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