コンテンツビジネスの現状

 この間書いた、ジブリ汗まみれを聞いているのですが、「その夜。れんが屋には、ただならぬ面々が集まっていました。」という回は、とても面白かったです。集まった面々は、以下の方々で、メンツだけ見ても、興味をそそられます。
高井英幸 前東宝代表取締役社長
塚越隆行 ウォルトディズニースタジオジャパンゼネラルマネージャー
堀田秀彦 東宝映像事業部
依田謙一 読売新聞YORIMO
川上量生 ニコニコ動画を運営するドワンゴ代表取締役会長兼スタジオジブリプロデューサー見習い
ワンピースの作者 尾田栄一郎。
 その中で、ドワンゴの川上会長が、コンテンツビジネスの現状について、吠えていらっしゃったのですが、その考え方が、中々鋭くて、面白かったです。
 今のコンテンツは、無料のものが、性能的に一番いいものとなっていて、有料のもののほうが、劣っている。これは、考えたこともありませんでした。著作権者は、自分達の権利を守るため、コピープロテクトなど、いろいろな制限をかけたがります。でも、無料のものは、違法と言われているけれど、これらのものがすべて排除されている。このことは、ユーザーからしてみると、無料なものは、制限がないので、自分の環境に合わせて、好きなように使うことができるものになっていて、正規品は、わざわざお金を出して、使いにくいものを入手していることになります。自分が使いたいと思っている環境で使えないものをわざわざお金を払って入手することになるわけです。
 ぼくは、無料だから、有料コンテンツは売れないのだと思っていました。確かに、その側面もあるかも知れませんが、お金を払う気がある人でも、今のような仕組みだと、お金を払う気にはなれないかも知れないと思い始めています。
 ぼくは、ちょっとした金額であれば、好きな音楽や、電子書籍にお金を払ってもいいと思っています。でも、例えば、音楽を買って、携帯機器や、オーディオ、車など、自分が使いたいと思う環境で、コピーできないということであれば、買うのを辞めるかも知れません。電子書籍にしても、自宅や会社のPCや携帯で見れなくて、iPadでしか見れないのであれば、買わないかも知れません。
 データだけだと、機器のバージョンが上がって、フォーマットが変わったりしたときに、使えなくなって、また買い直さなければいけないことも、起こります。売るほうにしてみれば、いいことかも知れませんが、ユーザーからしてみると、同じものをまた買わなければいけないことに対しては、抵抗があります。
 こう、考えてみると、お金に対する考え方も、変わってきているのかも知れません。本来、価値があるから、お金を払って、その対価を得るというのが、お金のあるべき姿だと思うのですが、有料コンテンツについては、それが成り立っていないように思えます。それでは、何に対して、お金を払っていることになるのでしょうか?無料が破壊しているものは、お金のシステムそのものなのかも知れませんね。
 川上さんは、これから生き残れるのは、サーバー型コンテンツだけだと、仰っています。この辺りも、とても、面白いのですが、長くなりそうなので、この辺で、やめておきます。興味ある方は、是非、お聞きになって見て下さい。