またUWBチップ撤退

またUWBチップ撤退
 また、UWBチップから撤退してしまいました。 このTZeroという会社は、最後の砦に近かったんじゃないかな~。世の中、やはり不況なんですね。
 このUWBというのは、次世代の通信方式として、期待されていた、高速通信方式の一つです。通信を高速にするための手法の1つは、一回に送れるデータを増やすことなのですが、増やす方法として一番簡単な考え方は、通信の土管を広くすることです。これまで、1Mbpsで通信出来ていた土管があれば、これを2つにまとめれば、単純計算で、2Mbpsになります。でも、単純に土管を増やすということは、それだけ、通信出来る回線が少なくなることになります。これまで、10人の人が、1Mbpsで通信できていたとすると、2つにまとめれば、2Mbpsになるけれど、通信出来る人は、5人になってしまいます。これでは、通信容量が増えたことにはならないので、トータルとして、容量がアップするような通信方式がいろいろなところで、検討されているようです。
 ぼくも、詳しくは知らないのですが、UWBは、3.1GHz~10.6GHzという広い周波数帯域を、雑音レベルくらいの低いレベルで拡散して通信容量を稼ぐ方式のようです。(詳しくは、こちら)他の通信との共存が課題のようでしたが、これがうまくいくと、100Mbps以上の無線通信が出来ると言われていたので、期待していました。ちなみに、この通信方式は、出力レベルが小さいので、近い距離でないと、うまく通信出来ないようです。使える用途は、限られてくるのかも知れません。
 この通信方式に興味を持ったのは、動画を無線で送ることをいろいろ考えていたときに、今の無線速度では、通信速度的に厳しいんだなと思ったからです。カメラ出力を無線でやりとりすることなんて、誰もが考え付きそうなことだけれど、世の中にそれほどないんですよね。なんでなんだろうと思ったのですが、やはり理由があって、今のメジャーな通信規格だと、QVGAの動画でも、結構厳しいんですよね。だから、H.264のような圧縮技術を駆使して、現在の無線通信システムで、がんばっているのが現状のようです。
 ぼくは、この方式、とてもユニークな発想で、面白いと思ったのですが、やっぱり、ビジネスがからむと、いろいろと難しいんですね。技術は、儲かる技術がいい技術ではなく、いい技術が儲かる技術にならなければ、世の中、いろいろな人が不幸になるような気がします。いろいろな力が作用するのでしょうが、最終的には、いい技術が残ってくれる世の中になって欲しいものだと、つらつらと考えてしまいました。

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